私が英検1級1次試験を受験した会場は、駅から徒歩20分くらいのところにある私立中学校でした。

現地に着くと、各級ごとの列に並び受付を済ませます。2級の列が学生であふれかえっているのとは対照的に、1級の受付にはほとんど受験者が見られません。(幾分人口が少ない地域でしたので。)早く到着したつもりはなかったのですが、1級受験者用の教室には3, 4人しかいません。結局その日一緒に受験したのは8人程度でした。

受験後、人数が少ない分どんな人が一緒に受けたのか気になって辺りを見回していると、とある年配の1級受験生から声をかけられました。御年70歳くらいだったでしょうか、数年前に高校の英語教師を引退された方でした。当時、私の周りに英語資格を目指していた人がいなかったため、その方と試験の出来や英語の学習歴、普段の勉強法等について話しながら一緒に帰りました。

その会話の中でその方は,

「私は教員現役の頃からこれまで欠かさず1級1次の受験をしてきましたが、お恥ずかしいことに一度も合格したことがありません。」

とおっしゃいました。私はフォローするつもりで、

「やはり1級の語彙問題は非常に難しいですよね。私は予想通り苦戦しました。」

と言うと、その方は、

「語彙問題だけは、英検1級を受験し始めてから毎日必ず練習し続けています。そのせいか毎回24問は正解します。」

と言われたのです。帰国子女の方でも語彙セクションで満点近くとるのは至難の業であることを知っていた私は驚きました。その程度の語彙力があれば十分読解問題だって読めるだろうと思ったのですが、とにかくリスニングが全く取れないとのことでした。

私は、「それだけできるなら、、、」と言いかけたとき、その方の耳に補聴器らしきものが付いていることに気づきました。それがリスニングの問題が苦手なことに関係しているのかはわかりませんでしたが、初対面でもあったのでそれ以上は何も言わないでおきました。

しかし、世の中には自分の想像を超える方がいるものです。語彙力が増えることが毎日の幸せや充実につながると言えるほど徹底した英語学習生活、そして英検をひたすら何十年も受け続ける根気強さ。私みたいな若造が生意気ですが、私の息子を含む将来日本を背負うためにグローバルで戦っていく次世代の子供達には、こんな英語教師に教壇に立って頂きたいなと。そしてその語彙マスターの爪の垢を煎じて飲むがごとく、「私自身もしこれで落ちても努力を続けなければ」と。

英検1級は壁が高い分、それを乗り越え様とする者同士と仲良くなりやすい気がします。同じ目標を掲げる同志とのコミュニケーション中には何か学べるものがあるかもしれません。


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